2023年10月以降の中小企業向けの経営改善支援策

2023年8月30日、経済産業省は中小企業の持続的な成長を後押しするため、「挑戦する中小企業応援パッケージ」を公表しました。金融庁や財務省との協力のもと策定されたこのパッケージは、コロナ禍における資金繰り支援と、チャレンジ精神あふれる中小企業の経営改善及び再生を目的とした施策を含んでいます。前回のブログで触れた2023年10月以降のコロナ関連融資の取り扱いに続き、今回は経営改善と経営者保証に関する支援策を詳しく解説します。

この支援パッケージは、経営改善フェーズにおける支援策として以下の3点を挙げています:

  1. 信用保証協会による経営改善支援の強化: 監督指針の改正を通して民間金融機関との連携を強化する計画ですが、現時点での具体的な改正点は公表されていません。
  2. 民間金融機関による経営改善支援の促進: 事業者はリスケジュールの際に「経営改善計画書」の提出が求められ、その作成には以下の補助金が利用可能です:
    • 「早期経営改善計画策定支援事業」による補助金:簡易な経営改善計画の策定にかかる費用の2/3を補助し、上限は15万円です。
    • 「経営改善計画策定支援事業」による補助金:本格的なリスケジュールが必要な大規模事業者のための経営改善計画策定費用の2/3を補助し、上限は200万円です。
  3. 経営者保証改革の促進:
    • 現行の「経営者保証ガイドラインの3要件」を満たす事業者のみが経営者保証の免除対象となっていますが、2024年からは要件を満たさない事業者でも保証料を上乗せすることで免除が可能になる予定です。
    • 金融機関による経営者保証徴求手続きの監督を強化し、「経営者保証改革プログラム」の実行と事業成長担保権の創設を進めます。

さらに、このパッケージは以下のような体制整備も含んでいます:

  • 経営改善・再生支援を一丸となって進めるための「挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議」(仮称)の設置。
  • 官民金融機関が行う経営改善・再生支援の取り組み状況を細かくフォローアップする体制の構築。

特に、「早期経営改営計画策定支援事業」の補助金は、中小企業や小規模事業者が利用しやすく、経営改善計画の策定を通じて融資の受け入れが容易になると期待されています。経営改善のための事業計画を策定しないと、今後は融資を受けづらくなります。この補助金を利用することで、これからハードルが上がる融資をスムーズに引き出せるようになるでしょう

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