こんな方は創業融資が借りれられる! 11個のチェックポイント

創業融資は、最初にして最大の資金調達のチャンスです。

今回は、そんなぜひとも実行しておきたい創業融資について、少し多いのですが、便利な11のチェックポイントをお知らせしましょう。

これらすべて確認おけば、事前に創業融資が借りれられるかどうか判断することができます。

まず、結論です。11個のチェック項目とは以下の通りです。

  1. 自己資金があるか
  2. そのビジネス対する経験があるか
  3. 必要な資金はどれだけか
  4. 必要な許認可をとっているか
  5. ターゲット顧客は明確か
  6. 商品・サービスに特徴はあるか
  7. 借りる資金の使い道は明確か
  8. 販売促進の方法は具体的か
  9. 消費者ローン・カードローンの利用歴は健全か
  10. クレジットブラック情報はあるか
  11. 税金の滞納はないか

一つずつどんなチェック項目なのか説明をしていきたいと思います。

1. 自己資金がどれだけあるか?

金融機関が創業融資を行う際、「自己資金をどれだけ貯めているか」が、審査にあたっての大きなポイントです。自己資金が少ないと事業への本気度を疑われ、融資を断られることも少なくありません。

また、本人が自己資金だと主張しても、日本政策金融公庫からそれは自己資金ではないと認められない場合もあります。自己資金をどのように貯めてきたかも大事になってきます。コツコツ貯めた資金であれば、金融機関の担当者も計画性のある事業者だと良い評価をしてくれるでしょう。

2. そのビジネスに関する経験がどれだけあるか

自己資金と同様、審査の際の大きなポイントとなるのが、新たに始めるビジネスの経験があるかどうか」です。経験不足の場合も、融資が厳しくなる傾向にあります。

3. 資金はどれだけ必要なのか

「できるだけ多くの金額を借りたい」という気持ちは、私も創業者でしたから、もちろんよくわかります。ですが、そう言われた金融機関の担当者の頭には、「この事業計画の数字、信用できるの?」という疑問が浮かびます。

必要な資金が明確になっていると、「このビジネスに対して真剣に取り組んでいる」と見られるようになるので、いくら必要だからいくら借りたいということが明確にする必要があります。 

4. 必要な許認可をとっているか

その事業を行う上での許認可を取っていなければ、そもそもビジネスを始めることはできません。

必要な許認可がないと、融資は行ってもらえません。許認可が必要なビジネスの場合は、その許認可を得ているかどうかの確認が、最初に行われます。

5. ターゲット顧客は明確か

ターゲット顧客が明確になっていないと販売促進の方法が曖昧になってしまい、見込んでいる売上の確保が難しくなります。そのため、金融機関の担当者に対して、ターゲット顧客を明確にして、細かく説明し、アピールをしてください。

6. 商品・サービスに特徴・特長はあるか

商品・サービスに魅力(特徴・特長)がなければ売れません。担当者に「商品・サービスが売れる理由」を伝えることで、成功に繋がるビジネスモデルだと認識してもらえます。

7. 借りる資金の使い道は明確か

どんぶり勘定の経営者を、金融機関は何よりも嫌います。借りる金の使い道を1円単位まで説明できれば、その資金が必要な「理由」「金額」についても納得してもらえるでしょう。

8. 販売促進の方法は具体的か

金融機関の担当者が創業融資の審査で一番気にするのは、「計画通りの売上を確保できるか?」です。

販売促進の具体的方法を持っていない事業者に対しては、計画的に売上を確保することが難しいと考えられ、金融機関が融資することはありません。売上の確保が不透明であり、返済もできないと見なされるからです。

「いいものを提供すれば、自然に売れる」と考え、販売促進策の具体性・実行可能性・継続性がぼんやりしている創業者が多く見られます。なんとなく「口コミ任せ」「SNSでの拡散任せ」ではなく、具体的な方法を考えられていることが重要です。

9. 消費者ローン・カードローンの利用歴は健全か

現在、消費者ローンやカードローンでの多額の借入は、金融機関が融資を断る合理的な理由になってしまいます。

金額については、金融機関により判断がまちまちです。一般的には、借入額が50万円を超えていれば、融資は難しくなりがちです。また100万円を超えていれば、断られることが多いようです。 

10. クレジットブラック情報はないか

クレジットや借入が延滞した過去があれば、クレジットブラック情報として履歴が残ります。クレジットブラックの場合も、金融機関から融資を断られる合理的な理由になります。
クレジットカードの返済遅延の情報などは、外部機関で記録が残ってしまっているため、普段から返済遅延がないようにしておいてください。 

11. 税金を滞納していないか

税金を滞納している事業者に、金融機関が融資することはまずありません。滞納があるかは、調べればすぐわかることですので、借入を行う前に、必ず税金の延滞を解消する必要があります。

 

11個のチェックポイントをすべて確認して、すべてクリアしていれば、創業融資をぜひ行ってください。創業融資は事業上、とても有利に融資ができる唯一のタイミングです。

いずれかのチェックポイントをクリアできていない場合でも対策できないわけではありませんが、事前にクリアできるようにしておくことが重要です。

質問:「コロナ借換保証」を断られました。どうすればいいですか?

2023年1月10日から始まっている「コロナ借換保証制度」

「コロナ借換保証制度」とは「一定要件を満たした中小企業者」が、「「金融機関との対話」を通じて「経営行動計画書」を作成」したうえで、「金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に借入時の信用保証料を大幅に引き下げる制度」のことです。

政府が力を入れている施策なので、基本的に信用保証協会は前向きに対応してくれますが、審査もコロナ禍のときのように優しくないこともあって、「コロナ借換保証を断られた。どうすればよいか?」というご相談をいただきましたので、コロナ借換保証が断られるケースとその対策をブログにできる範囲で回答させていただきます。

1.担当者が制度を知らないというケース

まずは、事業者がコロナ借換保証を依頼したときに、「そのような制度は存在しない」と担当者に言われたというケースがたまにあります。その理由は、新しく創設された信用保証制度を積極的に推進しない方針を採る金融機関の場合、担当者一人ひとりにまで制度の通達が伝わっていないため、担当者が知らなかったという場合に起こっているようです。また、担当者が不勉強だと制度自体を知らないこともよくあります。

2.制度を知らない担当者に当たったときの対策

担当者が制度の存在を知らなかったときは、支店の貸付責任者に問い合わせてみてください。

担当者が知らなくても、融資の責任者なら「そんな制度は存在しない」と回答することはまずないでしょう。重要な制度については、本部から通達が届いているためです。

3.「あなたの会社では使えません」と門前払いされたというケース

「あなたの会社はその制度で取り扱いできません」と門前払いされたというケースもあります。

コロナ借換保証制度を取り扱っても、金融機関のメリットはありません。融資額が増えるわけでも、受け取り金利が増えるわけでもないのです。

むしろコロナ借換保証制度を取り扱うことで、「経営行動計画書の作成サポート」や「年に一度の事業計画進捗報告書作成」など手間がかかる担当者の作業が増えるだけ。

そんな理由もあって、取り扱いに消極的な姿勢になってしまうのが金融機関の本音ではないでしょうか。

4.コロナ借換保証に消極的な金融機関だったときの対策

現在取引している金融機関「以外に」懇意にしている金融機関があれば、そこにコロナ借換保証制度の借り換え(肩代わり)を依頼するのが最善策です。

肩代わりする側の金融機関は、融資額も受け取り金利も増えます。また、100%保証なら金融機関にリスクはありません。さらに信用保証協会も「コロナ借換保証制度」については積極的に認可してくれるため、「肩代わり」なら金融機関のメリットが大きいのです。

制度上の理由で断られることもありますので、断られた場合は、「謝絶の理由」を聞くようにしましょう。

「謝絶の理由」が「納得できる」「致し方ない」の内容だった場合、他の金融機関に依頼しても依頼しても取り扱ってもらえないこともありますので、その場合はその理由を改善するために対策が必要なので、その点はお気をつけください。

東京都中野区で開業する方向けの創業融資

今回は、「東京都中野区で創業融資を受ける!」というテーマについて紹介していきます。

東京都中野区の制度融資

中野区で創業融資を受ける場合、主な選択肢としては以下の2択となります。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 中野区の制度融資

日本政策公庫の創業融資

日本政策公庫とは、100%政府が出資する公的な金融機関であり、国の施策に基づいた融資や保証、資金調達の支援を行い、中小企業や地方自治体の施策にも積極的に協力しています。そのため、創業者にも積極的に融資を行っていますので、創業融資を受ける際にはまずは検討したい機関です。

全国に152支店(令和5年3月時点)あり、本店所在地のお近くの支店に申し込むことになりますが、中野区で事業を行う方は、新宿支店が管轄となります。

制度融資とは

制度融資とは、地方自治体(都道府県や市区町村)が金融機関や信用保証協会と連携して行う融資制度のことです。創業者が金融機関へ支払う利息や信用保証協会へ支払う保証料を地方自治体が補助することで、創業者がお金を借りやすいようサポートしています。

自治体ごとに制度は異なり、中野区でも独自の制度を設けていますので、ここからは、中野区の制度融資について紹介させて頂きます。

中野区の制度融資

中野区の制度融資には、中野区産業振興センターが運営している「中野区産業経済融資」があります。そのうち、創業者が検討するのが「創業支援金 」です。

融資条件

融資限度額 2,000万円
利息(本人負担) 0.2%
借入期間 7年以内(うち据置期間1年以内)
保証料 1/2を東京都が補助

日本政策金融公庫の融資が利率2.5~3%程度なのに対して、中野区の制度融資は、0.2%という非常に低い優遇された利率が特徴です。

制度融資の場合は、信用保証協会による保証が付くので、利息とは別に保証料を支払わなければいけません。保証料は通常1%弱程度ですが、中野区の制度融資を利用すれば東京都の保証料補助が受けられるので、保証料負担は2分の1で済みます。そのため、利息+保証料で考えて、調達コストは公庫の融資よりも低くなります。

利息と保証料を合わせても、日本政策金融公庫で借りるよりはるかに低コストで済みますので、その点は最大の魅力と言えます。

利用対象者

制度融資の対象となるのは以下の方です。

1.現に事業を営んでいない者で事業を創業しようとする者、または事業を創業して3年未満の者であること
※当該創業の際、現に事業を営んでいる者を除きます。

2.創業しようとする事業または創業した事業の規模が中小企業信用保険法第2条第1項(第6号を除きます。)に該当し、かつ、次のいずれかに該当すること
・法人の場合、主たる事業所及び本店の所在地が区内にあること
・個人事業者の場合、主たる事業所が区内にあること
※主たる事業所とは、営業の本拠地として本店機能を持った店舗、事業所または事務所をいいます。

3.次の税について、納付すべき分をあっ旋の申込みをする日までに完納していること
・法人の場合、法人都民税
・個人事業者の場合、特別区民税及び都民税

4.許認可または届出等を必要とする業種を営む場合は、その許認可を受け、または届出等をしていること

5.東京信用保証協会の保証対象業種に該当すること

6.【これから創業】の場合、創業に必要とする総経費の3分の1に相当する額を自己資金で調達できること

7.【創業後3年未満】の場合、現に売上が発生していること

※法人成りや分社化の場合には、対象となりません。

ここで実務上、注意しないといけないのは6.自己資金要件と7.売上要件です。(パンフレット等には記載がなく、ホームページにいかないと記載されていません💦)

創業をまだされていない方は、事業経費の1/3を自己資金として用意していないといけません。また、創業をすでにされている方は、売上がすでに発生していないといけないのです。

加えて、個人事業主として開業した後に、法人を立ち上げて、この制度融資を検討している場合も利用が難しい場合が多いです。あくまでも創業に係る制度のため、個人事業主としての開業が3年前なのかどうかで判定します。

利用の流れ

制度融資を利用する際には、日本政策金融公庫の融資を受けるよりも煩雑な手続きが必要です。通常、初回相談から入金まで、3か月程度かかります。

中野区産業振興センターの相談室にて、中野区の商工相談員(中小企業診断士)と相談を行います。相談は複数回に渡って行われ、相談を経て「創業計画書」を完成させます。

この相談会は、目安として一コマ50分/回を3,4回行うことが多いようです。

②創業計画書が完成したら、中野区から「あっせん状」が発行されます。あっせん状とは、中野区が金融機関へ創業者をあっせんするという書類です。

③金融機関へあっせん状を提出し、融資の申込を行います。

④金融機関と信用保証協会から融資審査が行われます。創業の場合であれば信用保証協会の方が事業所まで来訪し、現地での面談が行われます。

⑤審査が無事に通ったら、金融機関と契約書を取り交わして入金されます。

日本政策金融公庫と制度融資、どちらを利用するべき?

ここまで聞くと、「制度融資の方が良さそうだな」と思うかもしれませんが、そうとも限りません。日本政策金融公庫も制度融資も、それぞれ一長一短ありますので、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

  日本政策金融公庫 制度融資
メリット ・申込から入金まで早い(3~4週間程度)
・創業融資に慣れている
・調達コストが安い(金利0.2%)
・東京都の創業助成金の申込資格が得られる
デメリット ・制度融資と比べると金利が高い(2~3%台) ・時間と手間がかかる(3か月程度)
・金融機関や担当者によっては創業融資の取り扱いに慣れていないことも

制度融資は金利や保証料などの調達コストはかなり安いのですが、その分手間や時間がかかります。

日本政策金融公庫の場合、申し込みから入金まで3週間前後です。一方で、制度融資の場合は3か月程度かかることもよくあります。融資を受けるまでにも、何回も区の商工相談員と相談して、金融機関とも面談して、保証協会とも面談してから、やっと着金にこぎつけます。

両方利用することも可能

準備期間をしっかりとれるのであれば、、、両方から融資を受けることを検討してみてください。

例えば直近必要分の資金について日本政策金融公庫から融資を受けておいて、残りの分を制度融資で調達するということも問題ありません。

このようにすることでむしろ、創業時から日本政策金融公庫と民間の金融機関の両方と関係性を構築できるので、2~3年後に追加資金が必要になったときの頼れる先が増えることになり、メリットも大きいです。

 

今回は、中野区で創業融資を受けるならというテーマでした。

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2023年4月以降「コロナ資金繰り支援 継続プログラム」

経済産業省と財務省から2023年3月7日に「コロナ資金繰り支援継続プログラム」が公表されました。

この「コロナ資金繰り支援継続プログラム」は、事業者の資金調達に密接に関わってくるものです。今回はこのコロナ資金繰り支援継続プラグラムがどういった内容になっているのか解説します。

1.「スーパー低利融資」の申込期限を20239月末まで延長

現在、日本政策金融公庫は、新型コロナウイルスの影響を受け資金繰りに支障をきたしている事業者向けに「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を、物価高騰の影響を受け資金繰りに支障をきたしている事業者向けに「セーフティネット貸付」をそれぞれ行っています。

この「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「セーフティネット貸付」については、現在、通常よりも安い金利で借りられる「スーパー低利融資」を適用しているのですが、この申込期限が2023年3月末となっていました。それが9月末まで延長されます。

この延長によって、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の借換を行う場合も、金利が跳ね上がることがなくなり、借り換えしやすくなりました。

2.「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を「新型コロナ対策資本性劣後ローン」に借換

2023年3月までが申込期限だった「新型コロナ対策資本性劣後ローン」の申込期限が9月末まで延長になります。

今回公表された資料には、「「日本公庫のコロナ無利子融資」を「劣後ローン」に借換える(資本性資金に転換する)ことにより、コロナ債務が増大している宿泊業などが民間金融機関から新規融資を受けやすい環境を整備する」と記載されています。

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の同額借換をしても、据置期間は最大5年ですが、「新型コロナ対策資本性劣後ローン」に借り換えることができれば、返済猶予期間は最大20年となります。

また、民間金融機関にとっては、「資本性ローン」というのは「疑似資本金」扱いにしてくれるので、民間金融機関からの資金調達もしやすくなります。

3.公庫と民間金融機関との「協調融資商品」の組成拡大

「新型コロナ対策資本性劣後ローン」を利用するためには、いくつかの要件がありますが、そのうちの一つに「民間金融機関との協調融資」があります。

これがなかなか難しかったりするのですが、民間金融機関に「協調融資商品」があれば、それを利用することで、「新型コロナ対策資本性劣後ローン」が借りやすくなります。

「協調融資商品」を組成しているのが91金融機関、覚書を締結しているのが484金融機関あるとのことなので、そういった金融機関を見つけることができれば「資本性ローン」を借りられる確率を高められます。

また、民間金融機関との「協調融資」ができない場合でも、経営革新等支援機関の指導で事業計画書を策定すれば、「新型コロナ対策資本性劣後ローン」が可能になります。

是非、取引している金融機関に対して「公庫との協調融資商品ってありますか?」「公庫と協調融資についての覚書を締結していますか?」と聞いてみてください。その返事が「YES」なら、「協調融資」⇒「新型コロナ対策資本性劣後ローン」という道筋をつけることが可能になるかもしれません。

経営者保証を外してもらうためにする6つのポイント

やはり「経営者保証を外したい」という経営者のニーズは高いでしょう。

金融庁の「企業アンケート調査の結果」によると、およそ7割の企業が「借入金の金利が上がったとしても経営者保証を解除したい」と回答しており、仮に経営者保証の解除ができるのであれば、借入金の金利が上昇してもよいと考える方が相当数いるようです。

全国銀行協会と日本商工会議所は、経営者による思い切った事業展開や早期の事業再生、円滑な事業承継を応援するために「経営者保証に関するガイドライン」を公表しています。

また、2023年12月13日に金融庁は、経済産業省・財務省と連携の上、経営者保証に依存しない融資慣行の確立を更に加速させていくため「経営者保証改革プログラム」を公表しています。そのことは以下の過去のブログでも触れました。

2023年4月から金融機関の「経営者保証」への対応が変わります!

これからは、経営者保証を今までより外しやすくなります!

私たち士業・コンサルタントの側からも経営者保証解除のお手伝いがやりやすくなったと思います。

ガイドラインに基づくと、経営者保証を解除するためのポイントは以下の6つです!

1)会社のお金と個人のお金をごっちゃにしない

法人と個人の資金が明確に分離されていない場合、金融機関からは法人に貸したお金が個人の資金として使われている可能性があり、経営者の個人保証を外すのは難しいと判断されることになります。

法人と個人のお金を混同しないためには、個人と法人の支払方法を区分する、口座を明確にわける等のお金の管理方法に関して一定のルールを決めて実行すること重要です。

また、役員報酬・賞与や配当、オーナーへの貸付等について社会通念上の範囲であることや税務等のルールに従って、決定する体制を整備する必要があります。

2)損益計算書:大幅な利益を出す

もちろん不正等の会計基準等に従っていない不適切な処理は問題があります。そういったルールに従った範囲で、利益が十分に出ていることが必要な資金を円滑に調達するためには寛容です。それにより返済能力があると金融機関からは評価され、信用力が向上します。

3)貸借対照表:役員貸付金等の科目を作らない。自己資本比率を高める

貸借対照表で、資金使途が不明確な仮払金や役員貸付金等は金融機関からの評価が低くなる可能性があります。また、自己資本比率が高ければ金融機関としては経営者保証を外すことにリスクはないと評価できることになります。自己資本比率を高めていくことで、信用力が高まります。

4)事業計画書を作成する

経営者は事業計画や業績見通しを作成することで、計画的に事業を実行することができます。確かに計画通りにうまくいくことはあまりないかもしれませんが、計画を立てなければ、目標を達成するのは非常に難しいでしょう。

5)定期的に金融機関に業績報告を行う

事業計画等を作成したうえで、事業計画の説明・進捗状況等の説明を金融機関に対して、積極的に定期的に報告していきましょう。また、事業計画・業績見通し等に変更が生じた場合にも、自発的に報告するなど適時適切な情報開示に努めます。

その定期的な情報開示を通して、経営の透明性を確保することができれば金融機関と良い連携が取れて、経営者保証に頼らない融資の実行が可能になります。

6)積極的にサポートしてくれる専門家を見つける

『開示情報の信頼性の向上の観点から、外部専門家による情報の検証を行い、その検証結果と合わせた開示が望ましい。また、こうした整備・運用の状況について、外部専門家(公認会計士、税理士等をいう。以下同じ。)による検証を実施し、その結果を、対象債権者に適切に開示することが望ましい。』と「経営者保証に関するガイドライン」にはあります。

どうしても、法人と個人の資金分離のルールを決めて実行したり、事業計画の作成・運用を一人でやるのは大変かと思います。しっかりサポートしてくれる外部専門家を見つけて頼っていくことが近道かと思います。

 

「経営者保証に関するガイドライン」に法的な拘束力はありませんが、「中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルール」と位置付けられており、金融庁も積極的に後押しをしていることもあり、以前よりは、活用件数が増えてきています

上記6項目を満たすことで、保証人を外しやすくなるということになっています。

そのために、まず、必要なのは、「(6)積極的にサポートしてくれる専門家を見つける」ことです。しっかりした専門家がサポートしていれば、(1)~(5)の項目は、自然とできるようになります。

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