創業計画書の「創業の動機」ってどう書くべきか?

今回は、創業計画書の「創業の動機」ってどうやって書くのかというテーマについて紹介させて頂きます。

創業の動機とは?

創業融資を受ける際に提出する創業計画書の中には、「創業の動機」という項目があり、創業するに至った背景や動機について記載する必要があります。

以下が日本政策金融公庫の創業計画書の記載例です。

これを見ると、この例のように簡単に書けばよいのかと思ってしまいますね。

ところが、そうではないのです。

創業の動機の書き方

創業の動機の項目では、金融機関は何を見ているか?

それは「創業にかける本気度」「事業の継続可能性」を評価する観点で見ています。

本気度や事業の継続性について、金融機関に評価してもらうためには、以下のようなポイントを押さえてください。

①準備状況
②経験
③熱意
④見込み

それぞれ順に説明していきます。

①準備状況

金融機関に計画性をアピールします。
たとえば、「かねてより創業に向けて自己資金を貯めており、この度目標額まで貯金が溜まったことから・・・」といった記載があれば、創業に対する真剣さや計画性をアピールすることができます。

事前準備がしっかりしている印象があれば、返済も問題ないのではないかという評価につながります。

②経験

経験は、2 経営者の略歴等で、記載するので、ここでは厚く記載する必要はありませんが、過去経験をアピールするのは大事な観点です。

「日本料理店の店長として10年間の経験があり、独立の為に必要なスキルを習得したことから~~」といった記載があれば、起業に対する真剣さも伝わります。

③熱意

起業にかける思いを記載しましょう。金融機関の担当者も「人」です。あなたの事業に対する想いや過去の経験、力になりたい人やそのエピソードを読んで、応援したいと思ってもらうことが大事です。

④見込み

今後の収益の見込みをアピールできると良いです。たとえば、「無料セミナーで30人集まったことから、開業を決意した」、「ブログの登録者のリストが100人集まり、集客の目途が見えたため開業を決意した」みたいなことが言えれば、創業当初の売上の根拠を示すことができるので、審査上有利な材料になります。

印象が悪い創業の動機

逆に、以下のような創業の動機は、シンプルに印象が悪いので書かない方が良いです。

  • 思い付きで始めた
  • 人から言われて始めた
  • 会社員が嫌で起業した
  • 儲かりそうなビジネスだから起業した

あえて直接的に上記のような文章を書く方はいないと思いますが、こう読み取られてしまうような動機はNGです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、創業計画書の「創業の動機」の書き方と重要性について紹介させて頂きました。

創業融資の際に何から手を付けたらよいか迷うことがありましたらお問い合わせフォームからご気軽にご連絡ください。

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今年度まで!? 東京都の創業融資【女性・若者・シニア創業サポート事業】 

以前のブログでも紹介している東京都が実施している「女性・若者・シニア創業サポート事業」は今年度までになるかもしれません。

来年度も継続するかどうかの情報は、このブログ更新時点では出ていないですが、すでに12月で申込みを終了している金融機関もあるそうです。

ということで、今回はいま一度、こちらの制度について紹介していきたいと思います。他の融資制度との比較も行いますので、ぜひご参考ください。

◆ 女性・若者・シニア創業サポート事業とは?

東京都が実施している創業融資の制度です。
女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)を対象に、優遇された融資が受けられる制度です。

女性・若者・シニア創業サポート事業 (cb-s.net)

⊳ 特徴

以下の点が特徴の融資制度です。

  • 信用金庫などから低金利(1%以内)・無担保で融資を受けられます
  • 税理士などのアドバイザーによる原則3回までの個別相談が可能です
  • 事業計画について、アドバイザーとの面談を基に作っていくことができます。
  • 融資実行後も、アドバイザーの経営アドバイスや融資後の決算時に、税理士が無料で決算書作成のアドバイスをしてくれます
  • 東京都の創業助成金の申込要件を満たすことができます
https://cb-s.net/tokyosupport/business/

⊳ 対象者

次のすべてを満たす事業者が対象となります。

  • 女性、若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)で、創業の計画がある者又は創業後5年未満の者(代表者)
  • 個人事業主、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人 等
  • 東京都内に本店又は主たる事業所を置く創業事業であること
  • 地域の需要や雇用を支える事業であること

⊳ 融資条件

融資限度額 1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)
利率(年) 固定金利1%以内
返済期間 10年以内(うち据置期間3年以内)
担保 無担保
保証人 法人:代表者個人保証または不要

個人:不要

◆ 融資実行までの流れ

⊳ 取扱金融機関に相談

以下の相談窓口のうち、付き合いのある金融機関(なければ最寄りの金融機関)にお電話して、「東京都の女性・若者・シニア創業サポート事業を受けたい」と相談してみてください。

金融機関の担当者と個別相談の上、本事業を利用することになりましたら、創業者の方で事業計画書を作成して金融機関へ持っていきます。(金融機関所定の事業計画書フォーマットがあればそれに従うことになります。)

⊳ 地域創業アドバイザーとの面談予約

金融機関が事業計画書を確認後、地域創業アドバイザーとの個別面談がセッティングされます。

金融機関が地域創業アドバイザーを紹介してくれるので、紹介日から10日以内にアドバイザーと連絡を取り、面談の予約を行います。

⊳ 地域創業アドバイザーとの面談

地域創業アドバイザーと面談を行い、事業計画についてのアドバイスを受けます。
事業計画がブラッシュアップされたら、金融機関へ融資の申込を行うことになります。

⊳ 取扱金融機関への融資申込

地域創業アドバイザーの案内に従い、取扱金融機関に対し、面談終了日から10日以内に融資申し込みを行います。

⊳ 融資審査

金融機関が融資審査を行います。
なお、アドバイザーがOKと言ったからといって、必ず審査に通るわけではありません。

⊳ 融資実行後

地域創業アドバイザーが、融資実行後の経営サポートを行ってくれます。

◆ 他の融資制度との比較

東京都の創業者が利用できる融資制度としては、実質以下の3択です。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 市区町村の制度融資
  • 女性・若者・シニア創業サポート事業

それぞれの特徴の比較を以下にまとめてみました。
※ 区の制度融資は、それぞれの区で若干違うので、あくまでも私の主観ですが

日本政策金融公庫 東京23区の制度融資 女性・若者・シニア創業サポート事業
利率 2.28~3.25% 0.2%~ 1%以内
保証料 なし 0~0.5%程度(東京都が1/2~全額補助) なし
担保 無担保 無担保 無担保
保証人 不要 法人:代表者個人保証が必要な場合もあり
個人:なし
法人:代表者個人保証が必要な場合もあり
個人:なし
融資実行までの時間 2~3週間程度 2~3か月程度
(事前面談・相談あるため)
2~3か月程度
(事前面談・相談あるため)
手間 少ない 多い 多い

「女性・若者・シニア創業サポート事業」はやはり、保証料なしで、金利も1%以内というところが最大のメリットです。

しかし、事前準備やアドバイザーと一緒に事業計画を作成していく過程に時間を要します。

また、東京23区の場合は、区の制度融資が充実しているので、そちらの方が好条件ということも少なくありません。

まずは事業をされている区の制度と比較してみてご検討されるのが良いでしょう。

おわりに

いかがだったでしょうか。

今回は、東京都の女性・若者・シニア創業サポート事業について紹介させて頂きました。

今年度で終わる予定で、来年度に継続するかどうかは現時点では未定です。金融機関によっては12月中で申込みを終了しているケースもあるようですので、申込みを希望する方は、お早めに近隣の金融機関にご相談してみてください。

お住まい・事業されている区の制度融資との比較など判断に迷ったり、ご不明点などがありましたらお問い合わせフォームからご気軽にご連絡ください。

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創業5年以内の方、限定!東京都の制度融資

今回は、創業5年以内の方が使える東京都の制度融資について紹介していきます。

◆ 東京都の制度融資

東京都の制度融資のうち、創業融資は、通称「創業」という名前で設けられています。

令和5年度の東京都中小企業制度融資に関しては、以下リンクのP33にまとめられています。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/yuushiannai.pdf

創業者は、しばしば金融機関からの信用を得ることが難しいため、国や地方公共団体が補助を行ってくれます。それが制度融資の仕組みです。

市区町村での制度融資と同様に、東京都でも独自の制度融資の仕組みがあります。

◆ 融資対象

東京都の制度融資(創業)を受けるためには、次の(1)から(3)のいずれかの要件を満たす必要があります。

(1)創業前

  • 事業を営んでいない個人、かつ
  • 1か月以内に新たに個人でまたは2か月以内に新たに会社を設立
  • 東京都内で創業しようとする具体的を有する者

(2)創業後

  • 中小企業者又は組合
  • 創業した日から 5 年未満である者
    ※ 個人で創業し、同一事業を法人化した者で、個人で創業した日から 5 年未満を含む

(3)分社化

  • 東京都内で分社化しようとする具体的な計画を有する会社または分社化により設立された日から5年未満の会社、かつ
  • 中小企業者であること

創業した日の定義

ここでいう「創業した日」とは、原則として法人の場合は設立登記の日、個人の場合は税務署に提出した開業届の開業日です。

※ 開業した日は、地方自治体ごとに解釈が異なり、中には「売上が発生した日」のように実際に事業を始めた日とするところもあるので、利用する自治体に確認してください。

ご利用いただける方の条件

また、上記要件に加え、以下の融資の基本条件についても満たしておく必要があります。

(1)東京都内に事業所(個人事業者は事業所又は住居)を有し、保証協会の保証対象業種に属する事業を営んでいること。ただし、一定の業歴要件が必要となる場合がある。

(2)当該事業を営むために許可、認可、登録、届出等を必要とする業種にあっては、当該許可等を受けている(又は、受ける)こと。

(3)事業税その他租税の未申告・滞納や、社会保険料の滞納がないこと。ただし、完納の見通しが立つ場合などはこの限りではない。

(4)現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと、暴力団員等が経営を支配していると認められる関係等を有しないこと及び暴力的な要求行為等を行わないこと。

◆ 融資条件

東京都の制度融資(創業)の基本的な融資条件は以下の通りです。
利率が低く、保証料が3分の1までに抑えられる点が最大のメリットです。

利率と保証料を合わせても、公庫より安く借入コストを抑えることも多いです。

融資限度額 3,500万円
融資期間 運転資金:7年以内(据置期間1年以内)
設備資金:10年以内(据置期間1年以内)
融資利率(年率)
  • 融資期間3年以内:1.5%
  • 3年超5年以内:1.6%
  • 5年超7年以内:1.8%
  • 7年超:2.0%以内
    ※ 責任共有制度対象外の場合で固定金利を適用するとき
返済方法 分割返済(融資期間が1年以内の場合は一括返済も可)
融資形式 証書貸付または手形貸付
信用保証料 2/3を東京都が補助
保証人 法人代表者を除き原則不要
物的担保 原則不要

◆ 必要な提出書類

  • 信用保証委託申込書
  • 信用保証委託契約書
  • 個人情報の取り扱いに関する同意書
  • 印鑑証明書
  • 商業登記簿謄本
  • 確定申告書(決算書)の写し(原則直近2期分)
  • 納税が確認できる書類
  • 見積書等(設備資金の場合)
  • 創業計画添付書および創業計画書

◆ 政策金融公庫の融資との違い

東京都23区の方の創業融資の選択肢としては、以下の3択です。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 区の制度融資
  • 東京都の制度融資

創業者の方の多くは、公庫の融資をまず受ける場合が多いです。

一般的に、公庫の融資は入金までの時間も短いため、スピードを重視する場合、公庫がおすすめです。

一方、制度融資は公庫より手間や時間がかかるものの、公庫よりも調達コストが安く抑えられる場合が多いです。

◆ 東京都なら23区の制度融資が好条件

では、東京都で事業を行う方の場合、制度融資を利用する場合、東京都と区の制度どちらを使うのがよいでしょうか。

区の制度融資を活用した方が借入条件が良い場合が多い気がします。

正確には、それぞれの区ごとにある制度融資の条件を確認してください。

例えば私の事務所のある中野区では、創業者の利息負担が0.2%となる制度融資があります。
都の制度融資や公庫の融資と比べても非常に低金利です。

また、区の制度融資と都の制度融資を併用できることもあります。

利率は0.2%、保証料に関しては都の制度融資で1/3になるというように、都制度融資として信用保証協会へ保証申込みをすることで、良いとこ取りができるようなケースもあります。

◆ おわりに。

今回は、東京都の制度融資(創業)について紹介させて頂きました。

制度融資をうまく活用できれば、調達コストを低く抑えることができて、さらには地元の信用金庫・信用組合等の金融機関とのパイプを作ることができます。この機会に活用してみてください。

判断に迷ったり、ご不明点などがありましたらお問い合わせフォームからご気軽にご連絡ください。

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